なぜ、人を殺してはいけないのか

15日の産経新聞のテレビ版にNHKの「21世紀仏教への旅」の紹介記事が載っていた。その中で五木寛之は「なぜ、人を殺してはいけないのか」という小学生の問いかけを自らにも問い続けているという。仏教徒たる?五木はこのような問いかけをいつまでも問い続けることはないのである。人間の社会においては殺人は罪であるからそれを犯せば罰せられる。しかし、宗教の世界では、善悪はないので殺人をしてはいけないということはない。
椎名麟三は「私の聖書物語」で「人間は何をすることも赦されている」と言っている。人を殺すことも。それが宗教的な考えというものである。
そもそも一般的に殺人は、人間の念によって起こるものである。念の起こるはこれ病というので、その点からみれば悪ということになろうが、善悪はないので、ことさら殺人を問題とすることはないのである。
五木寛之はいつまでもそのような問いにとらわれているべきではない。五木さんのご自由ではあるが。