開経偈

無上甚深微妙法
百千万劫難遭遇
我今見聞得受持
願解如来真実義

世の中には妙法に遭わなくても幸せに暮らしている人たちがいる。妙法に遭った人が幸せであるとは言えない。妙法に遭った人とは苦悩の末に遭ったのである。妙法に遭うほど苦悩したのである。苦悩がなければこれに越したことはない。妙法を必要とするほどの苦悩のない人は幸せである。
蓮如などの仏教者は、白骨の章などで早く仏教を信じるよう勧めている。これなど大きなお世話である。妙法に遭わずにすんだ幸せ者は、死ぬときも妙法を必要とせずに自然に死んでいくものである。後生を信じず、後生を必要としなければ。

開経偈は不幸にも妙法を必要としてしまった人たちの負け惜しみなのである。